ユーザーインタビュー
2025.08.20

弁護士の創造性を高めるAI機能に期待!
「弁護士向けに最適化されたAIを、事件記録に対して簡単に使える」

河野 佑宜 先生

弁護士であり弁護革命の開発者でもある山本了宣が、ユーザーから使い心地や利用方法などをうかがう、ユーザーインタビューシリーズ。

第9回目となる今回は、弁護士業務への生成AIの活用を日頃より探究されている、京都弁護士会所属の河野佑宜弁護士からお話を伺いました。

河野先生は、2006年の弁護士登録(旧60期)後、京都市内の法律事務所に8年間勤務。2015年に、こうの法律事務所を開設されました。

紙の出番が激減。完全電子化へ。

───まず、弁護革命を導入されたきっかけを教えてください。

知人の弁護士のFacebook投稿で、弁護革命の話題が出ていたのがきっかけです。もともとITツールには関心があり、新しいものも使ってみようと思うタイプですので、「便利だと言っておられるなら、使ってみよう」と思い、無料版で実際に触ってみると「これは便利だ」となり、2022年4月からスタンダード版を契約しました。

───どういう点で「これは便利」と感じられましたか?

一番感じたのは「PDFを開くまでのストレスがない」ことですね。

それまでは書面を開くたびに、フォルダから1つ1つ目的のファイルを探して、ファイルを開くときにも1〜2秒かかっていました。地味なんですけど、これが1日に何十回もあると、かなりの時間を取られます。

弁護革命だと、目当てのファイルがパッパ、パッパと開きますので、その時間を節約できるなら、月額料金も高くないと思って、すぐにスタンダード版にアップグレードした覚えがあります。通常想定されている用途以外にも色々使えそうだと思いました。

───弁護革命の導入によって、業務に変化はありましたか?

紙の記録を使わなくなったという点で、劇的に変わりましたね。

弁護革命の導入以前からPDFは活用していましたが、起案のときなどには紙の記録を手元に置いて仕事をしていました。

それが、弁護革命導入後は、記録についてはほぼ画面上で完結するようになりました。事務所では27インチのモニターを縦1枚と横1枚の2枚設置して、横1枚は2分割して使っていますが、その一つに弁護革命で事件記録を開き、その他の画面でZOOMを開いたり、起案などの作業をする、といった使い方をしています。

私は結構「紙」派で、たとえば尋問事項を作るときには、陳述書なんかをプリントアウトして手元に置きますが、他の書類は全部パソコンの方で見ています。

そんなわけで、今でも一応、事務局が紙で記録を管理してくれていますが、私自身はほとんど見ることはないです。

特にコロナ禍以降、裁判所のオンライン対応も進みましたし、自宅や出張先でもパソコン1つで同じように業務ができるようになったのは大きなメリットでした。

───弁護革命の導入にあたって、セキュリティ面の心配はされましたか?

刑事弁護に注力されてきた弁護士が開発していると聞いていたこともあって、記録の情報管理やセキュリティ面の心配はそこまでありませんでした。

データは、パソコン本体や自分のクラウドに保存され、弁護革命側でデータを保有するシステムではないという説明も記載されていて、さすが弁護士が開発されたシステムだなと感心した記憶があります。

弁護革命のAI機能に驚き。「これは弁護士が設計しているからこそ」

───いま、生成AIの発展が目覚ましいですね。弁護士業務でも利用されていますか?

はい、積極的に使っています。弁護士の中でも、AIを使う人と使わない人とで分かれていきそうですが、私自身は、生成AIは弁護士業務に大きな影響を与えるものだと思っていて、積極的に学んでいるところです。

AIに対して、「AIが全部やってくれる」と期待するとがっかりするかもしれませんが、「補助として使う」と考えれば、これほど頼りになる存在はありません。私自身も、数か月前に、AIを「補助」と捉えるようになってから大きく意識が変わりました。生成AIと対話しながら考えを深めるように使ってみると、思考の整理に大いに役立ったり、新たな気づきが得られることを実感しました。

ChatGPT、Gemini、NotebookLMあたりの汎用AIを一通り使ってみて、自分なりにカスタマイズすることで、弁護士業務に活用しようと熱心に取り組んできました。

そうしたところ、ある日、弁護革命にもAI機能が追加されていることに気づいて、それからは弁護革命のAIも便利に使っています。

───2025年3月にリリースされた、弁護革命のAI機能もご活用いただいているのですね。

はい、最初は「なんだろう?」という感じだったのですが、試しに私の扱った事件の判決文について「年表を作る」というAI機能を試してみたところ、びっくりするぐらいきれいな時系列を作ってくれたので、率直に「すごい!」と思いました。

弁護革命AIは、当初は、「単一ファイル」に対して、自由対話できる以外に、年表を作成してくれたり、陳述化してくれたり、QAで要約してくれる、といった機能がありました。これらの機能はどれも弁護士にとって嬉しいところを突いていると思いました。

「陳述化する」機能は、資料から陳述書の下書きを作成してくれるもので、たたき台として十分に使えるものが出力されますから、作業に入るハードルを下げてくれます。

「Q&Aで要約」機能も、最初は何かなと思いましたが、実際にはすごく便利です。資料を読むときに、「Q&Aで要約」の結果に目を通してから読むと、頭に入りやすくなるのです。しかも、最初に着眼点を入れるように求められる点が、弁護士視点だなと思いました。

年表もそうですが、作ろうと思うと時間も手間もかかるけれど、頭をクリエイティブに使っているわけではないという作業を、AIに任せられるのは助かります。

しかも、基本の利用料のままでAIサービスを利用できるのですから、なんてリーズナブルなんだと思いました。

───弁護革命のAIは、他の生成AIサービスと比べていかがですか?

やっぱり「弁護士向けに最適化されている」という点で全く別物です。

私は、汎用の生成AIサービスを業務で使えるものにするために、日夜、プロンプトの改良に腐心しているのですが、弁護革命のAIの場合は、そのままで弁護士向けのアウトプットが出てくるところが非常に便利です。

例えば、汎用のAIサービスだと、勝手に要約されてしまったり、用語が違う言葉に置き換わってしまっていることがあります。こういうのは弁護士の仕事においては大変困りますが、それをプロンプトで適切に制御しようとすると、そのための情報収集やスキルの獲得に相当の労力と時間がかかります。

弁護革命のAIの場合、最初からこのあたりをおさえてくれている点が特別です。「Q&Aで要約」機能を使っても、元の資料に書いてあることをちゃんと保っていると思える内容になっていますから、安心して使うことができます。つまり、弁護士業務に必要なカスタマイズが済んでいると感じます。

しかも、弁護革命には、事件記録がすでに入っているので、案件のデータを別のサービスに入れなおす必要もありません。この点の便利さも特別ですし、セキュリティ面でも安心です。

初期設定のままですぐ使えて、しかも事件記録にそのまま生成AIを使えるというのは、弁護士にとって最大の価値だと思います。

───2025年7月には、プロジェクト内の複数ファイルに対して弁護革命のAI機能をご活用いただけるようになり、あわせてAIの精度もあがり、回答に参照箇所が表示されるようになりました。

複数ファイルを選択できるようになって、次元が変わりましたね。事件記録に対して横断的にAIを使えることで、一気に活用の幅が広がったと感じています。試しに、自由対話で、相手方の書面と私が提出した書面を対比させまとめさせてみるとすごく便利で、びっくりしました。

まず、対象となるファイルを自由に選択してAIに指示を出せるところが便利です。汎用のAIサービスの場合、そこにデータを入れるまでの作業が面倒ですが、それが不要です。

さらに、回答に参照が表示されることで、ハルシネーションが起きていないかを簡単に確認できるところもとても助かります。

刑事でも、民事でも、弁護革命が特に威力を発揮するのは、訴訟の終盤、つまり、これから尋問に入るとか、最終準備書面を起案する、といった場面だと思っています。

訴訟の終盤になると、弁護革命の中に必要な情報が積み重なっていますので、そのような場面で、弁護革命のAIに質問を投げて、その回答を見て、「こんな事実もあったな」とか、「そういう考え方もあるな」と自分の中で発想を展開させていくような、クリエイティブな使い方ができると非常に有益だと思います。

対話しながら考えを深めていく作業はすごく重要で、同僚の弁護士だけでなく、AIを相手にしてどんどんやっていくと、一人で考えていると気づかない視点をもたらせてくれることがあります。そのように、弁護士としての仕事の質を高めるための補助の道具としてAIを活用していくことが大事だと思っています。

───弁護革命は、弁護士の「仕事がはかどる」サービスとして、これから次々とAI機能を拡充させていく予定です。

開発中のAI機能の構想を少し教えていただきましたが、弁護士の生産性や創造性を大きく高めてくれそうな内容で、非常にワクワクしました。今後のリリースを楽しみにしています。

開発者山本の感想

山本了宣:膨大な開示証拠を管理する必要に迫られたことをきっかけに、『弁護革命』を開発しました。
弁護士(大阪)。 NOTE https://note.com/ryoseny/

河野先生は、ご自身で生成AIの活用に非常に積極的に取り組まれ、様々な工夫をなさっているとのことでした。AIの使い方にはまだまだ迷っている方も多いと思われる中、大変貴重なお話をいただけたと感じました。

私自身もAIをよく使うほうの人間ですが、現実のAI活用における課題は、

「自分に必要なものを得るための使い方がそもそも難しい」
「やり方が分かったとしても、準備に実は手間がかかる」

といった部分だと感じています。AIにすごいパワーがあると分かっていても、多くの方にはハードルの高いところがあるのです。

弁護士業務の特殊性もあります。一般のビジネスの世界と比較すると、弁護士業務は資料の扱い方が遙かに厳密で緻密です。一般的なAIの動きは、「だいたいの結論が分かればいいだろう」というものになっていることもあり、弁護士が使うと「そうじゃない」と感じる場面も多々あります。

弁護革命のAIは、こういった課題を踏まえて、「シンプルで簡単に使えるが、しっかり弁護士の期待に応えるもの」を目指しています。

河野先生は、難しい案件ほどやりがいを感じられるとのことです。弁護士としての仕事の質を高めるために、様々なAI活用の工夫をしてこられた河野先生に、弁護革命の出力が使いやすいものになっている、すぐに実務で使えると評価していただけたことは大変自信にもなり、嬉しく思っています。

弁護革命は、今、AI活用を最優先課題に掲げています。今後も、弁護士業務にフィットした動きのできるAIをしっかりと作っていきたいと思っています。

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